レジンがこぼれた後のクリーニング(Form 3L/Form 3BL)
レジンがこぼれると、Light Processing Unit(LPU)、ローラーホルダ、ガラス製の光学窓やX軸とZ軸のネジなど、プリンタ内の精密部品やコンポーネントが汚れてしまう可能性があります。
レジンがこぼれた場合は、すぐに拭き取り、プリンタを点検し、プリンタの外観や機能への影響を最小限に食い止めるようにしてください。
ヒント:
こぼれたレジンが広範囲に及ぶ場合、またはレジンがプリンタ内部にまで入り込んでしまった場合は直ちに、ユーザー投稿ページに連絡してください。その際、レジンがこぼれた箇所が分かる写真をご提供ください。レジンがこぼれた直後の対処方法
プリンタを使用している間に、少量のレジンがプリンタの外側に付着する場合がありますが、影響はありません。
こぼれたレジンがプリンタの内部にまで広がる場合は、クリーニングをより念入りに行い、プリンタがそのレジンで故障する可能性を調べ、その悪影響を最小限に抑えるためのサポートが必要になることがあります。プリンタ内にレジンが入り込むと、内部の重要な部品やコンポーネントが汚れるか、腐食する原因になる恐れがあります。
レジンが非常に広い範囲にこぼれてしまった場合は、その状況全体が分かる写真を撮り、その写真を ユーザー投稿ページに送り、適切な追加指示を仰ぐようにしてください。
レジンがこぼれた直後の対処法として、以下の行動を取るようにしてください:
プリント中の場合は、プリンタのタッチスクリーン上でプリントを中止してください。
レジンがこぼれたら、できるだけ早く拭き取ってください。
レジンがこぼれた後、直ちに拭き取ることが不可能な場合、オレンジ色のカバーを閉めたままにしておくと、環境光によりレジンが硬化するのを防ぐことができます。
概要
警告:
レジンや溶剤は、皮膚刺激やアレルギー性皮膚反応を起こすことがあります。液体レジンやレジンが付着している表面や溶剤に触れる時は、手袋を着用してください。レジンが皮膚に付着したら、石鹸と水で念入りに洗い流してください。推奨する備品:
・ 綿棒
・ 使い捨ての注射器または薬用スポイト
・ 懐中電灯、LEDまたは携帯電話のカメラ用のライト
・ イソプロピルアルコール(IPA)、純度 90%以上
・ 低繊維のペーパータオルまたは使い捨てのマイクロファイバーの布
・ 非反応性ニトリル手袋
・ PEC*PAD
・ プラスチックのヘラまたは同等品
・ 石鹸水またはガラスクリーナーのような汎用クリーナー
プリンタを準備する
プリンタを点検またはクリーニングする時は、その準備として、プリンタの電源を抜き、プリンタに付いている消耗品をすべて取り除きます。
プリンタのクリーニングの準備をするには:
新しい清潔なニトリル手袋を着用します。
プリンタの電源コードをコンセントから抜きます。
レジンの滴がプリンタ内の窪みに入らないように、必ずビルドプラットフォームを先に取り外します。
ビルドプラットフォームの表面にレジンが付いている場合はすべて拭き取ります。液体レジンは環境光でも硬化し、ビルドプラットフォームの表面にレジンが残っていると、そのビルドプラットフォームが使用できなくなってしまいます。
プリンタからレジンカートリッジを取り外し、カートリッジの空気抜きキャップを閉めます。
レジンタンクを取り外し、タンクケースの中に入れ、プラスチックの蓋をタンクに被せます。レジンタンクが漏れていないことを確認し、清潔な平台の上に置きます。
レジンがこぼれた範囲が広い場合は、その範囲全体が分かる写真を撮り、 ユーザー投稿ページにその写真を送ってください。
外側を点検し、クリーニングする
プリンタの外側に付いた液体レジンは、プリンタを使い難くすることもあれば、作業に影響する他の表面を汚す原因になることもあります。レジンがカバー、シェルやポートにこぼれたら、きれいに拭き取るようにしてください。

カバー
1. 新しい清潔なニトリル手袋を着用します。
2. カバーの内側と外側の両方を調べます。
3. カバーに液体レジンが付着している場合は、石鹸水またはガラスクリーナーのような汎用クリーナーで湿らせたペーパータオルで拭き取ります。
シェル
4. シェルに液体レジンが付着している場合は、レジンをペーパータオルで吸い取ります。その際、表面にレジンが付かないようにご注意ください。
5. レジンがシェルの表面で硬化した場合、プラスチックのヘラを使って削ぎ落としてください。金属ヘラを使用するとシェルを傷つける恐れがあります。
6. プリンタの外側に付着したレジンがまだ一部そのまま残っている場合は、石鹸水またはガラスクリーナーのような汎用クリーナーで湿らせたペーパータオルですべて拭き取ってください。
USBポート、イーサネットポート、電源コネクタ

7. プリンタの裏にあるUSBポート、イーサネットポートと電源コネクタがレジンで汚れていないかを点検します。
8. ポート内またはジャック内の接点にまでレジンが付着している場合は、少量のイソプロピルアルコ―ルを含ませた綿棒を使って、レジンを取り除いてください。
カバーの下にあるコンポーネントを点検し、クリーニングする
カバーを開け、その下にある次のコンポーネントを点検します:タンクキャリアのレール、その周りを囲む上部シェル、ローラーホルダーとLight Processing Unit(LPU)の筐体。
タンクキャリアのレールと上部シェル

新しい清潔なニトリル手袋を着用します。
タンクキャリアと上部シェルに液体レジンが付着している場合は、レジンを低繊維のペーパータオルでで吸い取ります。 その際、表面にレジンが付かないようにご注意ください。
レジンがまだ付着したまま残っている表面があれば、石鹸水またはガラスクリーナーのような汎用クリーナーですべて拭き取ってください。
プリンタ内の窪みにこぼれたレジンが入り込んでしまったら、 ユーザー投稿ページにご連絡ください。
X軸とZ軸のネジを点検する
Light Processing Unit(LPU)の筐体とビルドプラットフォームキャリッジは、X軸用ボールネジとZ軸用送りネジに沿ってそれぞれ移動します。ビルドプラットフォームやLPUの筐体がスムーズ且つ正確に動くためには、両方のネジを清潔な状態で保ち、潤滑油を定期的に塗るがあります。加えてZ軸には、今後またレジンがこぼれるのを防ぎ、そのリスクを最小限に抑えるのに役立つドリップキャッチャーも含まれています。
警告:
X軸とZ軸のネジのメンテナンス作業を実施する時は、プリンタの電源コードをコンセントから抜いてか着手してください。プリンタ内部の可動部品が作業中に動くと、ネジが押しつぶされたり、もつれたりする原因になり、危険です。X軸用ボールネジ

1. 新しい清潔なニトリル手袋を着用します。
2. X軸用ボールネジにレジンの滴が付いていたら、石鹸水またはイソプロピルアルコ―ルを湿らせた低繊維のペーパータオルで拭き取ってください。
3. 二次光源(例:懐中電灯、LEDランプ、携帯電話のカメラ用のライトなど)をボールネジに当て、ボールネジとベアリングの間にまでレジンが流れ込んでいるかどうかを確認してください。レジンがベアリングにまで流れ込んでいたら、写真を撮り、その写真をユーザー投稿ページに送って、追加の指示を仰ぐようにしてください。
4. レジンがボールネジに付着している場合、イソプロピルアルコ―ルを少量湿らせた低繊維のペーパータオルまたは綿棒で拭き取ってください。
Zタワー

5. Zタワーにレジンの滴が付いていたら、石鹸水またはイソプロピルアルコ―ルを湿らせた低繊維のペーパータオルで拭き取ってください。
6. レジンがこぼれた箇所が水たまりのようになっていたら、注射器を使って吸い取るようにし、その吸い取った液体レジンを適切な手順で廃棄処分するようにしてください。
7. まだこぼれたレジンが残っているところがあれば、ペーパータオルでそのレジンをできるだけ吸い取ってください。
8. 吸い取り切れずに最後まで残ったレジンは、石鹸水またはイソプロピルアルコ―ルを湿らせた低繊維のペーパータオルで拭き取ってください。
Zモーターと送りネジ

9. 二次光源(例:懐中電灯、LEDランプ、携帯電話のカメラ用のライトなど)を送りネジに当て、タワーの最下部の中にあるZモーターを点検し、送りネジとベアリングの間にまでレジンが流れ入り込んでいるかどうかを確認してください。レジンがベアリングまたはZモーターまで流れ込んでいたら、写真を撮り、それをユーザー投稿ページに連絡して、追加の指示を仰いでください。
10. レジンが送りネジには付着しているものの、Zモーターにまでは達していなければ、少量のイソプロピルアルコールで湿らせた低繊維のペーパータオルまたは綿棒で、送りネジに付いているレジンを拭き取ってください。
ヒント:
イソプロピルアルコールを使ってX軸用ボールネジとZ軸用送りネジのクリーニングを済ませたら、次のプリントを開始する前に、ボールベアリング潤滑用のリチウムグリスをX軸とZ軸のネジに塗って、LPUの筐体またはビルドプラットフォームの動きに問題が発生するリスクを回避するようにしてください。
X軸とZ軸のネジの点検やクリーニング方法について、追加情報を入手したい時は、aining the X- and Z-axis screws(X軸とZ軸のネジのメンテナンス)(Form 3L/Form 3BL)と題したサポート記事をご参照ください。レジンタンクを点検する
プリントが失敗すると、レジンがこぼれる原因になることがあります。プリントが失敗すると、レジンタンク内に硬化したレジンが残ってしまうこともあります。プリントを再開する前に、レジンタンクを点検し、必要に応じて、タンク内をきれいにしておきます。
レジンタンクを点検するには:
新しい清潔なニトリル手袋を着用します。
タンクツールを使って、レジンタンクを点検し、失敗したプリントの残骸や損傷している箇所がないかを確認します。
失敗したプリントの一部がまだタンク内に残っている場合は、タンクツールを使ってそれを取り除き、更にレジンを濾過します。
レジンタンク内の軟質フィルムの消耗または損傷が激しい場合、または亀裂ができ、そこから液体レジンが漏れ出している場合、そのレジンタンクは廃棄してください。
ヒント:
レジンタンクの点検やクリーニング方法について、追加情報を入手したい時は、Maintaining the resin tank(レジンタンクのメンテナンス)(Form 3L/Form 3BL)についてのサポート記事をご参照ください。ローラーホルダーとLPUの筐体を点検する

ローラーホルダーとガラス製の光学窓に付着した液体レジンは、レジンタンクの底面の軟質フィルムを汚し、その後のプリントの品質低下に繋がる可能性があります。レジンがLPU内に入ると、プリンタの光学部品が故障してしまい、交換しなくてはならなくなる恐れがあります。
ローラーホルダーとLPUの筐体を点検するには:
1. 新しい清潔なニトリル手袋を着用します。
2. LPUの筐体をプリンタの右側にあるLPUガレージの中から出します。お使いのプリンタのファームウェアのバージョンによっては、LPUの筐体をメンテナンスのために自動で移動できるオプションが、プリンタのタッチスクリーンを通じてアクセスできます。
3. ローラーホルダーまたはローラーホルダーで囲まれているガラス製の光学窓にレジンが付着しているかどうかを確認します。レジンが付着していることを確認すれば、Formlabsの指示に従ってローラーホルダーとガラス製の光学窓のクリーニングを実施してくだい。
通告:
ローラーホルダーを素手で触らないようにしてください。ローラーホルダーに汚れが付いていると、その汚れがレジンタンクの底面にある軟質フィルムに移り、その後のプリント品質に悪影響を及ぼす可能性があります。4. LPUの筐体またはプリンタのどこかにレジンが付着している場合は、低繊維のペーパータオルですべて拭き取ってください。レジンがこびり付いている場合は、必要に応じて、ペーパータオルにイソプロピルアルコールを湿らせて、頑固なレジンも完全に拭き取るようにします。
5. LPU内にレジンが入ってしまっていることが(ガラス製の光学窓を通して)分かれば、ユーザー投稿ページに連絡して、その処理方法について追加の指示を仰ぐようにしてください。
ヒント:
ローラーホルダーとガラス製の光学窓の点検やクリーニング方法について、追加情報を入手したい時は、Cleaning the roller holder(ローラーホルダーのクリーニング)(Form 3L/Form 3BL)とガラス製の光学窓のメンテナンス(Form 3L/Form 3BL)と題したサポート記事をそれぞれご参照ください。後片付け
レジンおよびレジンが付着して汚れてしまった備品は必ず、安全データシート(SDS) に記載されている内容に従って廃棄するようにしてください。石鹸水の入った容器や汚れたペーパータオルまたは綿棒を数日、窓際やその他の日当たりの良い場所に置き、環境光でレジンを硬化させるようにします。レジンが硬化したら、家庭用の一般ごみと一緒に廃棄できるようになります。
通告:
プリンタを電源に再接続する前に、すべてのコンポーネントを完全に乾かします。ツール類
タンクツールやプラスチックのへらといった使い捨てではない道具のクリーニングには、イソプロピルアルコールを使用してください。
レジンが付着している、またはレジンを含んでいるニトリル手袋、麺棒、マイクロファイバーの布、ペーパータオルやPEC*PADは、下記に示すレジンの廃棄手順に従った上で家庭用の一般ごみとして処分するようにしてください。
液体レジン
液体レジンを廃棄するには:
新しい清潔なニトリル手袋を着用します。
レジンと親和性のあるラベル付きの容器に少量のレジンを注ぎ込みます。
その容器を日光の当たる場所に1日から10日間放置し、レジンが硬化するのを待ちます。レジンの硬化には、405 nmの光と熱を照射するのが最も有効です。液体レジンは光と熱の照射によって固形化します。
容器内のレジンが完全に硬化したら、そのまま家庭用のゴミ箱に廃棄してください。
ヒント:
レジン、溶剤または汚れてしまったプリンタのその他のコンポーネントを安全に廃棄する方法についてより詳しい情報をお求めの場合は、Resin care(レジンのケア)と題したサポート記事をご参照ください。ユーザーサポートに連絡する
レジンが大量にこぼれた場合、またはこぼれたレジンがプリンタの中にまで流れ込んでしまった場合は、 ユーザー投稿ページに連絡してください。
サポートを要請する際、下記のアイテムもご提供ください:
レジンがこぼれた直後の写真
LPUの筐体がメンテナンス位置に移動した状態のプリンタの窪みを上から見下ろすアングルで撮った写真
レジンの種類とバージョン
レジンがこぼれた時にプリントしていたモデルのFORMファイル
こぼれた原因:
失敗したプリントの残骸
レジンタンクの損傷
バイトバルブの不具合
その他(追加情報があれば、併せてご提供ください)
レジンがこぼれるのを防ぐ
レジンがこぼれてしまう原因はいくつかありますが、最も一般的な原因は、レジンタンク内に残る失敗したプリントの残骸、レンジタンクの損傷とレジンカートリッジのバイトバルブの不具合です。
失敗したプリントの残骸
プリントが失敗に終わると、その残骸が全部または部分的にレジンタンク内に落ちてしまうことがあります。ミキサーは、プリント失敗後のそうした状態を検知したら、プリンタを小休止させるように設計されていますが、それでもレジンがこぼれてしまうことがあります。
プリントの失敗を防ぐには、下記のベストプラクティスを実践することをお勧めします:
レジンタンクの損傷
レジンタンクが損傷していると、タンク内のレジンが漏れ、プリンタ内にまで流れ込んでしまう恐れがあります。レジンタンクを適切に保管していない時(例えば、別のオブジェの上に重ね置きした時など)またはレジンタンクを手荒く扱った時(例えば、硬化したレジンを鋭利なツールで取り除こうとした時など)、タンクの底面にある軟質フィルムに傷がつくことがあります。
同様に、タンクに衝撃または強い力が加わると、タンクフレームが割れてしまうことがあります。軟質フィルムを点検する時は、プリンタの付属品として提供されているタンクツールを使って行なうなど、レジンタンクの取扱いには常に十分注意を払うようにしてください。
バイトバルブの不具合
レジンカートリッジのバイトバルブが壊れると、レジンタンクに注ぎ込むレジンの量が増えすぎ、タンクからレジンが溢れてしまう原因になります。バイトバルブを点検して保護する 方法について正しい情報を得るようにしてください。
最新の情報はこちらからご確認ください。
https://support.formlabs.com/s/article/Cleaning-after-a-resin-spill-Form-3L-Form-3BL?language=ja